魁!!男塾

ひどいもんだが、目を覆うほどでは無い。
原作モノの常として、オリジナルに近づけるか否かが重要だと思う。作品としての完成度をとってあえて原作から離れて行くのもひとつの手だろう。この作品では主人公以外を極力原作に忠実に、主人公だけはアレンジで、という感じ。そのアレンジの部分がかなり痛い。
とにかく、桃が気持ち悪いのだ。ナルシストがつぶやき続けるような演技。セリフが少ないからマシだが、何とかならんかったんかいな。
脇を固める方々はうますぎで似すぎ。文句を付ける所がまるでない。足したらなんぼかみれた。
てか、桃がいなかったらかなりいい作品かも。

今、書くこと 1

明日、青梅マラソンを走る。

動機がある。
それは上岡龍太郎*1がいるからだ。
彼はそもそもマラソンの愚かさを語ってきた。人間は40Kmも走るようにできていない。走ったとしても何も得られない。その愚かさ故に興味がでた、と。
そして彼はマラソンを走っている。

私もそうだ。
言葉で批判するのはとても簡単。やらねば意味が無い。
行動を伴わない人間の言葉は薄い。

行動はシンプル。42.195Km走れば良い。

青梅は走りきれるだろう。
ボロボロになると思うけど。

そして、青梅マラソンは30Km。12Kmちょっと足らない。
これぐらいではマラソンを走ったとはいえないのだが、終わってからもそんな強がりが言えるだろうか。

ナショナルトレジャー2

ご都合主義のみで構成されたトレジャーハント。それはそれで良いが、この作品はつまんない。
つまらないことは判っていたが、ニコラス・ケイジの顔が面白すぎるので観にいく。もはや本末転倒な気がする。いや、映画を観ようという気持ちが大事。
物語はサザエさんのオープニングのよう。莫大な財宝を隠した謎が世界中の名所名跡にちりばめられているため、わざわざ出向いていって揉め事を起こす。つまり、世界中のあらゆる場所にニコラスが出向いていって困った顔をするわけだ。それも背景とアングルが変わるだけなので意味があるかと言われると、うーん。この映画の見所はこれだけ。
謎はまったく大した事が無い。観客に挑戦することは全く考慮されておらず、ニコラスがブツブツ言いながら困った顔をすると、謎が解ける仕組み。はっちゃけ、はっちゃけ。『だからどうしたんだ』としか言いようがない。
ご都合主義が許されるのは、そこをリアルにするよりも端折った方が作品として良い時だけかと思っていたのだが、これはちょっと手抜きっぽい。
子供騙しを狙ったのかも。それとも、判ってて観るような奴を狙ったのか。謎だ。

アース

野生の生物と自然を映したドキュメンタリー。
狩系の映像多し。お好きな人なら、という感じ。
子供に見せたいと言い出す親が続出しそうな内容。汚いものや残酷なものは皆無。
よくこんな映像撮れたなと思うが、そんな都合よく何か起こる訳ないので、チャトラン的な事もあったのではと邪推してしまう。
イカンですな、大人になると物事を素直に受け取れません。

ぴゅーっと吹くジャガー

原作の完全映画化。
ガッカリで肩透かしな笑いが見事に再現されている。故に、原作を知らないとかなり厳しいかも。

まず、お金の使い方が半端無い。残念な映像を撮る為にいくら投じたんだろう。このお金があれば貧しい地域にいくつの学校を建てることができるのか、心が痛む。
また、キャラクターの再現性もかなり高い。というかモデルになった人がそのままやってる節もある。特に菊千代、ハマーのウザさが完璧。
複雑に入り組んだ人間関係が、全く交わることなく収束もしない。とても身勝手な作品、好感度高し。

北辰斜にさすところ

二時間たっぷりジジイの昔話聞かされると言う、恐ろしい程どうでもよい内容。決して詰まらないわけではないが、縁もゆかりもない人間が観ても何の感情も浮かばない。

前半は旧制高校時代のエースであった昔話を、孫がおとなしく聞いてくれるというもの。ジジイの妄想全開で、全くどうでもよい話しに、孫はいちいち感銘を受けてくれる。
後半は、旧制高校からの百周年記念試合を行うべく、現代の学生たちにかつての制服を着せ試合をさせる。迷惑としかいいようのない話しだが、孫はもちろん喜んでひきうけ全力で戦ってくれる。

実話っぽいのだが、リアル過ぎて何一つピンと来ない。ていうか、いつまで学校の先輩後輩で居続けるんだろう。大事だとは思うのだが、他にもっと無いんかいな。「ジジイに残されたのは思い出だけだよ」と言われてるみたいで、ちょっと寂しい。

魍魎の匣

面白い。よくもあんな長い原作を二時間ちょいにまとめたもんだ。
私はかなり楽しいと思った。が、しかし、楽しめる人間は少ないかも。
この作品は良いところと難しいところが激しい。
厳しいところは、原作とは決定的に違う部分があり、謎の部分をかなり変えていること。
大きく変えているので、原作ファンには許容できない人もいると思う。尺的に難しい部分があり、ある程度の入れ替えや取捨選択は必要だが、私的には有りの範囲だった。
そして、原作ファン以外なら、話が複雑すぎて意味がとれないと思う。登場人物がメインだけで十人程度。サブだとそれ以上なので常人なら無理だ。物語以前に内容が理解できないだろう。

一方、良い部分は多い。
まず、日本ではかなり希有なことに、尋常ではない制作費がかなり有効に働いている。戦後日本の情景や、銀幕屋の空気感、猟奇殺人の陰惨さなど、情景描写のレベルが非常に高い。さらに、キャストの連携も抜群で、多人数ながら適材適所、役割分担が抜群だ。
なにより、部分部分では原作の雰囲気が完璧に再現されている。前作では絵を重視していたが、監督が替わったからか役者が慣れたからか、人間関係が生き生きと描写されている。

この作品では、確かに、無理な部分は多いし、現代の映像技術や話法では限界がある。でも、撮っている人間の愛情が作品には現われている。精一杯原作に近づけつつ、映像として収める事のできる最大の調整をはかっていると思う。現代ではこれが上限だろう。十年後になら超えれるだろうか。
次回作が楽しみになった。多分、次は『絡新婦の理』だろうな。是非、”あの人”は「蒼井優」で。