母べえ

何も無い、ただ母と子の情景が描かれているだけ。それだけなのに、家族が共に時間を過ごすことの大事さが痛いほど伝わる。

吉永小百合は、爽やかで心の強い母親役。家族どころか作品全体を包み込むほどの優しさがステキ。三十少しぐらいの役なのだが、志田未来の母親と言われてもそれほど違和感は無い。戦時中の三十代が六十の吉永小百合に勝てるとも思えないしね。
他の役者さんたちも、時代に溶け込んでいて自然。特に笑福亭鶴瓶ナチュラルな演技がすごい。戦中という自分を隠さねば生きていけない時代に、金をたくさん持っていることをすらりと口にするという。リアルだ。

おそらく、今年最高の映画かと。