ユナイテッド93

非常に良く出来た再現フィルム。事実の映像化という点においては目的は達成しているのでは。
この作品を映画に入れるのはどうかとも思うが、悪い作品ではない。

焦点が事実にあてられているので、全般にわたり淡々とした演出。だが、事実が衝撃的過ぎるため、緊迫した息苦しさを伴う場面が続き休まる暇が無い。
前半は三機の旅客機が次々とビルに突っ込んで行くのを、後手に回るしかなかった航空管制側の場面。後半はタイトルにもある、四機目の旅客機の乗客乗員達の姿を描いている。
ただそれだけ。9.11で何が起こったか知らない人や忘れたくない人が観るには良い内容だと思う。
日曜のレイトショーにかかわらず、客席の八割方が埋まっていた。この時間は結構利用するが、かなり珍しい。
関心度の高さが伺える。

ついでだが、9.11を信じたくない人たちが存在するのも事実。何の得があるのかは知らないが、ほんの五年前のことでも歴史を学べない人間達がいる。なぜ戦争が無くならないかは、こんなことからも学べるのだ。