ロッキー・ザ・ファイナル

最後の作品。
今までの変遷がこの作品に集約されている。作品どころか、観客の思いを「まだロッキーやるのかよ」という感情すら内包している。最後の最後でようやく「ロッキー」に追いついた作品が出来上がったみたい。期待どおりやりきってくれた。

「ロッキー」以降の作品では、目標の定まらない人生を送り続け、観客の希望を損ない続けていたように思う。誰も望まぬ勝利を掴み、くだらない理由で親友や生活を失い、最後にはリングですらない場所で殴りあう。
それでも、もう一度戦うというロッキーという人間を、この作品は良く表現している。
そしてロッキーを取り巻く状況*1も良かった。
苦労して全部観直した甲斐があります。燃えますよ。

*1:ロッキーは既に過去のものとして描かれている。息子もそんな父親を嫌悪する。ロッキー自身もファンサービスや昔話を売りにしたレストランを経営している。ボクシングを捨て、過去の栄光で飯を食えているロッキーとは対照的に、最後まで成功しないままの最低人生を続けているポーリーとの対比も好き。