ストリングス

異質な世界観を物語にうまく組み込んだ、良い作品。


登場人物の全てが『紐のついた生き物』という設定はかなり気持ち悪いし、紐を前提とした世界描写も異様。だがそのあたりは観ているうちに慣れてしまう*1。そして、紐が切れると死ぬというメッセージ性*2を感じさせる設定も、良い味がでている。
キャストの芝居がそんなに気にならないのもグッド。顔の売れた役者さんが声をあてていると、気になってしょうがないか下手すぎるかのいずれかなのだが、演出が良いのかも。


難を言えば、ラストシーンの意味が全く不明なこと。これをアートといわれたら、ふーんとしか言えませんが。*3

*1:操り人形を”紐のついた生き物”としてしまうのは、かなり冒険。だって、アニメ作品で二次元人とか言われたら引いちゃうし。

*2:生命誕生のシーンもあるが、これも良くできた設定です。

*3:ネタバレは避けますが、90分掛けて作り上げた世界感を10秒で全壊させます。自己否定とは哲学的なオチだなぁ、・・・と。