署にて

つづき

署に移動中、車の中では年配の警察官さんが女の子を説教。

署までやってくると、オフィス、と言うには雑然とした、刑事部屋に通されました。そこで話しをまた一から。
刑事部屋には深夜の二時だというのに結構人がいて、警官と刑事が4,5名づついました。
この辺りは古い刑事ドラマと全く一緒で、キャラクターの立った人ばかりでした。車で一緒になった説教臭いが親身になってくれるお巡りさん、あだ名は絶対「おやっさん」だろうと思われる刑事、若手でメカが得意そうな刑事、太っていて体は大きいけどやさしそうな刑事、などなど。

ここで、第一関門。おやっさんが、私に聞いたのです。

訴えますか?

一方的に何の関係もない人間を殴ってますので、訴えられて当然なのですが、やっぱり確認しないとダメなようです。この瞬間は、さすがに私の回答を聞くためみんな静かに。
私は、この時点ではどっちでも良いと思っていました。ストーカー氏に逆恨みされるのだけが懸念事項です。そこでおやっさんに聞いてみました。一度氏と話して良いですか、と。
その場にいる全員が「無駄だよ」と言う顔をしたのですが、無理を言って合わせていただく事に。私としても相手の顔をよく覚えてなかったので、今後の出会った事も考えてのことです。

小さな部屋に通され、氏と人情さんと私で対面しました。ここでも人情さんは氏に説教。
氏は自身の非を認め、勘違いであったことをひたすら詫びました。そして私に「いい人だ」を連発。ここで心は決まりました。私は、勘違いである旨を簡単に話し、早々に部屋を出ました。
人情さんは私が納得したように感じたようで、若干苦い顔。もどると、再びおやっさんが私に聞きました。訴えますか?
私は、こう答えました。
ダメですね。訴えます。
この状況で訴えないことはほとんどありえないのですが、氏の対応は私にとって最悪に思えました。この場をなんとか切り抜けるために嘘で謝っているのがみえみえでしたし、私が「いい人」などのおべっかに乗せられる人間だと思っているのもダメさ倍増でした。

おやっさんが皆に一言。「よし、今日中に全部終わらせるぞ。」
刑事さん達が一斉に動きだしました。

つづく