ALLWAYS 三丁目の夕日

良い。昔、貧乏でなかった人は観おわったとき必ず幸せになれる。必涙。
50年ぐらい前を舞台にした人情もの。みんな貧乏だったけど、昔は良かったんだな。と、しみじみ感じさせてくれる。
好きな監督さんが撮っていて、今回も期待を裏切らなかった。

そんな中、一点だけイマイチのりきれない部分がある。
それは貧乏の描写。
私自身、子供の頃は非常に貧乏だったので、どうしてもその思い出がちらついてしまった*1。本当の貧乏とは、何かを得ようとすると大事な何かをあきらめなければならない。
作り方として本当に悲惨な部分は描く必要が無いので、このままで全然OK。だが、子供時代の悲惨な思い出と、幸せすぎる映画とのギャップに違和感を覚えてしまった。

でも、子供の頃を思い出せたということは、やっぱり良い映画なのかな、とも思う。

*1:といってもそんなに昔じゃなく20年くらい前。たとえば、母親とラーメン屋に行ったときの話。
その時は用事があって母親と外出していたのだが、腹が減ったので外食となった。チキンライスの歌詞じゃないが、わが家が他よりも貧乏だと知っているので頼むメニューにも気を遣う。
だが、なぜかは覚えていないのだが、どうしてもその時はラーメンではなくチャーシューメンが食べたかったのだ。値段も百円しか違わない。これは大丈夫だろうと、おもいきって「これが食いたい」と母親に頼んだ。
そのとき空気が凍った。
ラーメンで良いじゃないか、と母親は言う。お願いだから食わせてくれと食い下がる。最後には喧嘩になってしまった。。。
結局、ラーメンしか食べる事ができなかった帰り道、母親も私も全くの無言。
一時間ぐらいしただろうか、もうすぐ家に着くというところで母親が口を開いた。
「チャーシューメン食べていこうか。」
母親は、たった百円を出してやれなかった事をずっと悔いていたのだ。わが家の経済事情は本当に苦しくて、百円をも惜しまなければならなかった。いつも厳しい家計をやり繰りしている母親の苦労に気付いて、私は自分のワガママをあやまった。